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新法令・通達の解説
(令和2年12月23日までの発表・公布・施行分)
- 地域社会に寄与する新たな協同組合を法制化
- 令和2.12.11 法律第78号=労働者協同組合法
出資・経営・労働を三位一体にした「労働者協同組合」という新たな法人形態が法制化されました。
労働者協同組合とは、組合員が出資し、それぞれの意見を反映して組合の事業が行なわれ、組合員自らが事業に従事することを基本原理とする組織です。ワーカーズコープとも呼ばれます。
●持続可能社会に向けての期待
訪問介護や学童保育、農作物の共同販売など、地域に貢献し、地域課題を解決するための活動をする組織が広がりをみせています。
しかし、そうした組織を運営していくうえで、企業組合は営利性が求められること、NPO法人は出資ができないことなど、これまでの法人形態では不都合が生じていました。
そこで、そうした非営利の法人を簡便に設立できる制度を設けて、多様な就労機会の創出や地域の需要に応じた事業の実施につなげ、持続可能で活力ある地域社会の実現に寄与しよう、というのが法制化のねらいです。
●組合員は労働法に守られる
労働者協同組合法のポイントは、次のとおりです。
・組合の基本原理に基づき、組合員は加入に際し出資をし、組合の事業に従事する者とする
・出資配当は認めない(非営利性)。剰余金の配当は、従事分量による
・組合は、組合員と労働契約を締結する(組合による労働法規の遵守)
・その他、定款、役員等(理事、監事・組合員監査会)、総会、行政庁による監督、企業組合またはNPO法人からの組織変更、検討条項(施行後5年)等に関する規定を置く
設立については準則主義をとり、3人以上の発起人がいれば届出のみで設立できるようにします。
この法律は、一部の規定を除いて公布後2年以内の政令で定める日から施行されます。
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック